特別館長の言葉

2017年11月21日 館長の言葉09

過去や未来に思いを馳せるのは人間だけだ。

前橋文学館は、その思いを育む親になりたい。

2017年11月21日 館長の言葉08

前橋文学館は楽しいところではない。

楽しむところである。

2017年11月21日 館長の言葉07

こころに響く言葉の里程標を建てる。

それが、前橋文学館の仕事である。

人生の大空に詩の旗を高く掲げる。

それが、前橋文学館の使命である。

2017年11月21日 館長の言葉06

言葉を軽く扱う人は、軽い人生しかおくれない。

言葉をぞんざいに扱う民は、ぞんざいな国しか作れない。

「言葉は存在の住居」だからだ。

2017年11月21日 館長の言葉05

心をゆらす 言葉と出会い、

心をゆらす 人と出会う。

前橋文学館は、出来事です。

2017年11月21日 館長の言葉04

散歩しよう。歩くことは街を読むことだ。

読書しよう。読むことは世界を歩くことだ。

2017年11月21日 館長の言葉03

言葉の大切さを

後世に伝える語り部

それが前橋文学館です

2017年11月21日 館長の言葉02

過去を知り 今を思う 

前橋文学館は 心のふるさとです

2017年11月21日 館長の言葉01

山から風がうまれ 

川から思い出がうまれ 

人のこころにうたがうまれる 

前橋は、人と人との出会いを育む美しい街

2017年10月21日 「ヒツクリコ ガツクリコ ことばの生まれる場所」ー言葉が人を作る

 人は、耳ではなく言葉で音を聞いている。もちろん、目ではなく言葉でものを見ている。犬はワンワンなどとは鳴いていないのに、そう聞こえるのは、言葉で聞いているからだ。当たり前のことである。
 だとすると、もしかしたら人が芸術とふれあっている時も、言葉によって鑑賞しているのかも知れない。というような素朴な疑問から、美術から、言葉を眺めるとどんなものがあらわれるのだろうか。あるいは反対に、言葉から美術を眺めてみるとなにが見えてくるのだろうか。
 そんなことを根底にして考えたのが、「ヒツクリコ ガツクリコ ことばの生まれる場所」というタイトルの企画展だ。
 会場は前橋にある美術館のアーツ前橋と前橋文学館である。共に前橋市立の施設だ。
 文学館と美術館とが共通のテーマで企画展を開催するというのは全国的にはとても珍しい試みであるだろう。おそらく、2館の観覧者はそれぞれ全く別の層であることは間違いない。同一の企画展を2つの会場で開催することで、新しい入館者の流れが生まれることを期待したのである。
 それにしても、言葉をテーマにした作品は多岐に渡っていて裾野が広い。参加したのは、詩人、造形作家、映像作家、書家、絵本作家、音楽家などである。さまざまな分野のアーティストが試みて居るアプローチだけ見てもなるほどと思えるものばかりで興味深い。
 例えば詩人たちのビジュアル・ポエトリーは全く言葉から意味をはぎ取って、別の意味に近づこうとしている。あるいは書道家が動きや形から言葉の可能性に挑戦しようとしたり、映像作家は言葉を動画の素材としてイメージ豊な世界を生み出したりしている。見ているうちに、「言葉は人間が作りだしたものだけれど、それ以上に言葉によって、人間が作られている」ということを、つくづく実感させられる企画展なのである。

 

(「新美術新聞」寄稿 H29.10.21)

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