『月に吠える』詩篇 人気ランキングの結果発表です!(1)
2017年08月14日
7月31日をもちまして『月に吠える』詩篇 人気ランキングの投票を締め切りました。
この場をお借りして、上位10位までの結果発表をさせていただきます。なお10位以下の結果はこちらのページ下部にある「投票結果を見る」からご確認いただけます。中間結果発表につきましては5月15日の記事をご覧ください。
第1位 殺人事件 ・・・72票
第2位 恋を恋する人 ・・・71票
第3位 猫 ・・・61票
第4位 さびしい人格 ・・・49票
第5位 蛙の死 ・・・36票
第6位 ばくてりやの世界 ・・・30票
第7位 内部に居る人が畸形な病人に見える理由 ・・・28票
第8位 竹(光る地面に竹が生え、…) ・・・26票
第9位 天上縊死 ・・・22票
第10位 およぐひと ・・・17票
このような結果となりました!総票数は589票でした。ご投票いただいた皆様に改めて御礼申し上げます。
「殺人事件」「恋を恋する人」が、ぎりぎりまで首位を独走していた「猫」を追い抜き、1位2位に輝きました。残念ながら追い抜かれてしまった「猫」も、根強い人気を誇り最後まで接戦となりました。
以下、これらの詩に寄せて頂いたコメントについて、ごく一部ですがご紹介します。
第1位 殺人事件
・この詩がなければ、のちの江戸川乱歩も夢野久作もなかった…と言っては大げさかもしれないけれど、そう言いたいくらいの早すぎた傑作!(夢野久作の新聞社の上司の加藤介春の詩集に朔太郎は序文を贈っているし、久作自身も朔太郎をまちがいなく愛読してる!)
第2位 恋を恋する人
・おかしな感想とは思いますが、この詩の切ないあまずっぱさが私にはたまらなく好きです。なんとも可愛くて可愛くて、とても大好きです。本当に素敵な詩をありがとうございます。先生の生みだした世界を少しずつ読んでいくのがとても楽しいです。
・ヒトはその身体の理想形は女であり、男は男であるだけで女に劣る、ということを、よくもまあ男のみ兵隊義務があり投票権があり…つまりは男のみがヒトとして一人前とされていた、戦前社会で断言したものと、その生理感覚に基づいた断言の大胆さにあきれるし感心する。その上に、女でも男でもなくて植物にすがりついてしまう(草木姦淫?)のも、凄い!
第4位 さびしい人格
・萩原朔太郎さんの詩を読むようになったきっかけが「さびしい人格」の最初の一文でした。初めて聞いてからずっと頭に残っていて、本屋さんに走り、詩集を買って、全文を読んで詩の世界や雰囲気が素敵で・・・。月に吠えるの中でも特に好きな詩です!
・「さびしい人格」が好きで、暗記したくていつも声に出して読んでいます。疲れた時に公園の椅子に座るとこの詩を思い出します。
第5位 蛙の死
・「蛙の死」の最終行、思い返すたびに衝撃があります。蛙が無邪気に殺されたこともふつうに残酷ですが、〈帽子の下に顔がある。〉という現象としては当たり前の記述に虚無(顔の表情がわからない)を感じるとき、残酷さを超えて、なつかしさとおそろしさとに裂かれるようです。
第7位 内部に居る人が畸形な病人に見える理由
・とても難しいですが、すごい詩だということだけは分かります!
第8位 竹(光る地面に竹が生え、…)
・朔太郎の詩は高校時代の教科書から入りましたが、教科書に載っていた『竹』からのイメージとは異なり、月に吠えるの読了後は青黒く、息苦しい底にいるような雰囲気が残っていたのが印象的でした。初めて読んだ時の新鮮さは未だに忘れられません。ずっと好きです。
・月に吠えるは青竹のイメージが強いので竹(光る地面に竹が生え、・・・)に一票。
今回紹介できなかったコメントにつきましては、次回の更新でご紹介いたします。
いずれの詩もそれぞれ独特の輝きを放ち、100年の年月を経た今日でもこのように厚く支持される詩集だと実感する結果となりました。たくさんのご投票とコメント、誠にありがとうございました!