萩原朔太郎記念・水と緑と詩のまち 前橋文学館

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2017年11月24日 雨月 衣さんによる作品展を開催中です

 前橋文学館では現在開催中の企画展「ヒツクリコ ガツクリコ ことばの生まれる場所」と連携した街なか回遊プロジェクト「前橋ことばの学校」の一環として、前橋市出身のマンガ家でありイラストレーターの雨月 衣さんによる作品展〈猫町、音娘町、寝子町〉を1階フロアにて開催中です。

 

 会期は11月20日から2018年1月16日まで。会期中は雨月さんによる描き下ろしパネルと、「猫町」をテーマとしたマンガ「猫町、音娘町、寝子町」の生原稿が並びます。ここではほんの少しだけご紹介。表現豊かでみずみずしい雨月さんの筆致はぜひ会場にてご確認ください。

 

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文学館1階を華やかに飾ってくれています!

 

 雨月衣さんプロフィール

マンガ家、イラストレーター。前橋市出身。誕生日は萩原朔太郎と同じ11月1日。マンガ雑誌「ぶ~け」(集英社)でマンガ家デビュー。同誌でエッセイマンガ『Talking Lip』連載、TV番組「伊東家の食卓」(日本テレビ)でイラスト担当を経て、現在、女性誌を中心に雑誌や書籍web等でイラストレーターとして活動中。

ホームページ http://ugetsu-koromo.com

 

 「前橋ことばの学校」期間中は他にもイベントが盛りだくさん。さらに街なかを歩いて楽しめる仕掛けも多くちりばめられています。秋の終わりに、前橋の街なかを朔太郎流に「漫歩」してみてはいかがでしょうか。

ことばの学校

2017年11月24日 秋と漫歩

 11月も終わりに差し掛かり、文学館周辺もすっかり肌寒くなりました。色付いた落葉が朔太郎像の上に散ってくる様子は、「さびしい人格」(『月に吠える』)の、“ああ、その言葉は秋の落葉のやうに、そうそうとして膝の上にも散つてくるではないか。”という一行を彷彿とさせます。

 秋といえば、1935(昭和10)年11月に「週刊朝日」に掲載されたエッセイ「秋と漫歩」(『廊下と室房』1936年所収)には、朔太郎が四季の中で秋を最も愛していたということが綴られています。またこの随筆において、自身の散歩趣味についても言及しています。ただの散歩ではなく、人の行き来する雑沓の中をあてどなく歩き、丁度いい場所を見つけては休憩し、長時間ぼんやりと坐って群集を眺めて居る。というのが朔太郎流。以下に一部引用いたします。

 

 だが私が秋を好むのは、かうした一般的の理由以外に、特殊な個人的の意味もあるのだ。といふのは、秋が戸外の散歩に適してゐるからである。(中略)

 多くの場合、私は行く先の目的もなく方角もなく、失神者のやうにうろうろと歩き廻つてゐるのである。そこで「漫歩」といふ語がいちばん適切してゐるのだけれども、私の場合は瞑想に耽り続けてゐるのであるから、かりに言葉があつたら「瞑歩」といふ字を使ひたいと思ふのである。

 私はどんな所でも歩き廻る。だがたいていの場合は、市中の賑やかな雑沓の中を歩いてゐる。少し歩き疲れた時は、どこでもベンチを探して腰をかける。この目的には、公園と停留場とがいちばん好い。特に停車場の待合室は好い。単に休息するばかりでなく、そこに旅客や群集を見てゐることが楽しみなのだ。時として私は、単にその楽しみだけで停車場へ行き、三時間もぼんやり坐つてゐることがある。それが自分の家では、一時間も退屈でゐることが出來ないのだ。(中略)

 秋の晴れ渡つた空を見ると、私の心に不思議なノスタルヂアが起つて來る。何処とも知れず、見知らぬ町へ旅をしてみたくなるのである。

 

 朔太郎は秋を愛し、秋を主題とした作品を詩歌や随筆に数多く残しました。また、作品の登場人物が逍遥する場面が頻繁に描写されているのを見ると、このような朔太郎の散歩趣味(朔太郎風に言うと漫歩、瞑歩)は創作の源と言えるのではないかと思います。

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2017年11月20日 萩原朔太郎記念館の展示

 前橋文学館南に設置されていた赤いポストが、萩原朔太郎記念館敷地内に移転され赤く塗り直されました。

 こちらのポストに投函していただくと、朔太郎の詩碑と広瀬川、そして赤城山が写った風景印が押されて配達されます。朔太郎が見て育った前橋の風景を、大切な方へのお手紙に添えてみてはいかがでしょうか?

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 さて、萩原朔太郎記念館敷地内にある土蔵ではただ今、アーツ前橋で開催したワークショップにて絵本作家・荒井良二さんと32人の子どもたちが製作した作品《オノマトペッコ》の一部を展示しています! こちらの展示の元となったアーツ前橋での作品の様子も少しご紹介させていただきますね。

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 どうですか、このエネルギー! 躍動的な色使い、モノの使い方にはただただ圧倒されます。アートの中には、たくさんのオリジナル・オノマトペが散りばめられています。

 

 そして、荒井さんと子どもたちが一丸となって自由な発想で生み出したオノマトペの中から、荒井さんが選びぬいたオノマトペが前橋文学館の土蔵の中を彩り、個性的な「ことば」にあふれた空間になりました。子どもたちの伸びやかな感性が捉えた音を想像しながら、ぜひご覧ください。

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 企画展が始まってから、早くも一月が過ぎました。夜の街を歩く様子を萩原朔太郎が独特のオノマトペによってあらわした「ヒツクリコ ガツクリコ」。今回の企画展タイトルともなったこちらの詩の自筆ノートを、現在前橋文学館で展示しています。展示することも珍しい未発表詩篇なので、この機を逃さず是非ご覧ください。

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2017年11月02日 11月1日は…

 11月1日は、萩原朔太郎の131歳の誕生日です。前橋文学館でも一日遅れのお誕生祝いを致しました。朔太郎さん、お誕生日おめでとうございます!

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写真は文学館職員です。これからも朔太郎さんに続いて、近代詩を盛り立てていきますよ!

 

 過去の記事でも触れていますが、朔太郎の誕生日と名前には密接な繋がりがあります。 『萩原朔太郎全集』11巻中「名前の話」によると、朔太郎という名前は「十一月一日に生まれた。長男で朔日(ついたち)生まれであるから、簡単に朔太郎と命名されたので、まことに単純明白、二二ヶ四的に合理的で平凡の名前である」「若い時の僕は、その平凡さが厭やだつた」ということですが、朔太郎の思いとは裏腹に、「風変りに珍らし」い名前だと感じる人も多かったといいます。

 

 朔太郎が生まれたのが11月1日、亡くなったのが5月11日。生涯の親友である犀星の誕生日が8月1日、尊敬してやまない北原白秋の誕生日が1月25日。こうして並べてみると、朔太郎と1という数字には何か不思議な因果があるような、そんな思いを禁じ得ません。

常設展示萩原朔太郎 満二歳

 満2歳の朔太郎

2017年11月02日 朔太郎と猫

 10月29日から11月12日まで、前橋中央通り商店街を中心に、萩原朔太郎の作品にちなんだ「まえばしネコフェス2017」が開催中です。期間中は全国から公募した猫の詩や写真を組み合わせた作品235点が、26の協力店舗の店先を飾ります。また、イベントやこの期間だけのコラボメニューが楽しめる飲食店などもあり、猫好きの皆さんに必見の内容となっています。

ネコフェス2017

 

 さて、朔太郎と猫といえば、詩集『月に吠える』に収録された「猫」は当ホームページ上で行われた『月に吠える』詩篇ランキングにて第3位を獲得するほど人気を博しています。さらに「猫、猫、猫、猫、猫、猫、猫。どこを見ても猫ばかりだ。」という場面描写が印象的な『猫町』、ほかにも詩集『青猫』並びに『定本青猫』より「猫柳」「猫の死骸」といった詩などなど、朔太郎作品に登場する猫の存在は見逃せません。

  『猫町』につきましては、現在公開中の企画展「ヒツクリコガツクリコ ことばの生まれる場所」展において同作品をモチーフとしたからくりミニシアターを上演しています。なお、からくり作家であるムットーニこと武藤政彦氏をお迎えした「ムットーニからくりミニシアター 上演とトーク」も11月4日(土)に開催されます。事前のお申し込みの上、ぜひご参加ください。

 

 ここまで朔太郎と猫の関係について少しだけ触れましたが、はたして朔太郎自身は、猫を飼っていたのでしょうか? 答えはNOのようです。ただ、ノネ(ノーネームが由来)と呼んで犬を飼っていたことがわかっています。しかしながらこのように多くの朔太郎作品に登場する猫。朔太郎はその存在に、どこか神秘的なインスピレーションを受けていたのかもしれませんね。

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休館日

水曜日・年末年始
(祝日の場合はその翌日)

観覧時間

午前9時-午後5時

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