【変な話をしたい。-第28回萩原朔太郎賞受賞者マーサ・ナカムラ展】ごあいさつ

2021年02月06日

 毎年、寒風が吹き荒れる時期、前橋文学館に春のいぶきを運んでくれるのが、 この萩原朔太郎賞受賞者展だ。

 今回、二十八回目の受賞者は最年少受賞であるマーサ・ナカムラさんである。

 朔太郎賞が始まったのは一九九三年だから、この時マーサ・ナカムラさんは三歳、 受賞者の谷川俊太郎さんは六十一歳だった。

 受賞者展の楽しみは、未知の表現者、未知の作品との出会いである以上に、新鮮な言葉、斬新な言葉と言葉との反発と融合の現場に立ち会える事だ。展示する文学館にとってその現場をどう再現して展開するかが楽しみの一つであった。二十八回の実験現場であった訳だ。

 今回のマーサ・ナカムラさんが紡ぎ出す字列表現の冒険。そして、今後の大きな飛翔の羽音を、この展示によって少しでも感じていただければ幸いです。かすかな春の足音もぜひ。

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