【羽の生えた想像力-阿部智里展 】ごあいさつ

2019年07月20日

飛ぶ鳥を見て、飛行機を作る人もいる。

飛ぶ鳥を見て、屏風に再現する人もいる。

飛ぶ鳥を見て、五線譜に向かう人もいる。

飛ぶ鳥を見て、背後に広がる大空を想う人もいる。

それが阿部智里さんだ。

彼女が語りだす物語に身を沈めると、大海を遊泳する冒険者になれる。爽快と心地よい不安。読むことの悦楽だ。

今回の展示は、観るというより体験したと感じるものにならないだろうか、を試みたものだ。なにしろ、旧来の文学館展示のように生原稿などがあるわけではないからだ。

どうしたら、作家阿部智里の魅力に迫れるのか。作家の大きく羽ばたく想像力を感じてもらえるのか。

その展示の試行錯誤を一緒に体感してもらえれば望外の喜びである。

「想像力だけが鳥よりも高く飛ぶことが出来る」のである。

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