虹の日

2021年07月16日

 関東は本日、例年より一足早く梅雨明けが発表されました。

 昨日まで毎日のように雨に降られていた前橋ですが、やっと天気予報に晴れマークが顔をのぞかせるようになりました。30度を超える日が続き、いよいよ本格的な盛夏到来を感じさせる今日この頃。思わずクーラーを解禁したという方も多いかと思います。梅雨にけぶる河畔で色とりどりに目を楽しませてくれた紫陽花たちも、この暑さに参っているようで、いよいよ見納めとなりそうです。我々としても、季節の変わり目なので熱中症に注意したいですね。

 

 さて本日は、「虹の日」だそうです。デザイナーである山内康弘氏により、「なな(7)い(1)ろ(6)」と読める語呂合わせと、例年梅雨明けに当たるこの時期に空に架かる虹に、「人と人、人と自然、世代と世代が七色の虹のように結びつく日」として、調和の想いを託し制定されたようです。

 虹は夕立の後に現れることが多いため、夏の季語としても親しまれています。萩原朔太郎全集第3巻より「短歌・俳句・美文」の項目を繙いてみると、次のような俳句が目に留まります。

 

わが幻想の都市は空にあり

虹立つや人馬賑ふ空の上

『遺稿』より

 

 掲句は、晩年の七句のうちの一句です。色彩のイメージから、一見明るく爽やかに受け取れますが、一連の作品と併せて読み、また寄せられた前書を考慮すると、理想郷を追い求める漂泊者としての自身の切なさを読み取ることが出来るように思います。

 

 雨上がりに虹を見つけたら、朔太郎が思いを馳せた「幻想の都市」が、そこにあるのかもしれませんね。

▲TOP