朔太郎とタバコ
2020年05月14日
~朔太郎はチェーンスモーカー?!~
「父がタバコを手から離している時は、寝ているあいだだけだった。」*
後年、娘の葉子さんにこう回想されるほど、朔太郎は常にタバコを手放さなかったのでしょう。
晩年の朔太郎の写真にもやはり手にタバコらしきものが、、、**
朔太郎が愛煙していたのは「敷島」というタバコでした。このタバコ、実は高級煙草です。犀星の「詩人・萩原朔太郎」を読むと、大正3(1914)年に出会った当初からこのタバコを喫っていたことがわかります。
「ちょっとのんでは、すぐに灰にギュッと突っ込んでしまい、何か考えているときには、それがだんだん早くなるのだった。」*
詩を創るとき、批評を書くとき、詩人の傍らにはきっと、敷島が山盛りになった灰皿が置かれていたことでしょう。
こちらの灰皿は、朔太郎展示室(常設展)でいつでもご覧になれます。ご来館の際はぜひ注目してみてください!
*萩原葉子「タバコとソフトのこと」『父・萩原朔太郎』筑摩書房、1959(昭和34)年より。
**筑摩書房版『萩原朔太郎全集』の第9巻と第11巻の口絵を参照。
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