6月のイベントの申し込み受付が始まっています

2018年05月20日

旅上

ふらんすへ行きたしと思へども

ふらんすはあまりに遠し

せめては新しき背広をきて

気ままなる旅にいでてみん。

汽車が山道をゆくとき

みづいろの窓によりかかりて

われひとりうれしきことをおもはむ

五月の朝のしののめ

うら若草のもえいづる心まかせに。

萩原朔太郎『愛憐詩篇』

 

 

 日差しが日ごと高く暖かくなるにつれて、おでかけへと心そそられる日々が続きますね。朔太郎がときどき詩に描くような汽車での旅にも憧れます。5月の新緑が生い茂る中を駆ける汽車の窓辺から、少しひんやりとした風を感じてみたくなります。

 さて、そんな5月もそろそろ終わりに近づき、前橋文学館では6月より始まる各種イベントのお申し込みを受付中です!イベントの詳細についてはこちらをご覧ください。

 

 先日、イベントのひとつであるポエムリーディング「心を読む」の本番を前に、第14回群馬県高校放送コンクールの入選者の生徒さんたちがリハーサルに来てくださいました。リハーサルの様子を見ていると、ともすれば黙読しがちな詩を声に出して読むことで、ことばの響きがより直感的に、感情豊かに伝わってくるような印象を受けました。

 ポエムリーディング「心を読む」の開催は6月9日(土)。高校生たちの瑞々しい感性を通した詩の朗読をぜひお楽しみください。本番にはアナウンサーの奈良のりえさん、詩人の新井隆人さん、長井学さんのピアノ演奏が加わり、聴き応えばっちりにお届けできると思います。

 

 また、対談「我らの寺山修司体験」では、実際に青年時代を演劇実験室「天井棧敷」で過ごした安藤紘平氏(早稲田大学名誉教授)と、萩原朔美館長による貴重な体験談を軽妙なトークで語ります。天井棧敷でのエピソードや、互いに映像作家であるふたりから飛び出すであろうお仕事の話は、寺山修司ファンはもちろん、そうでない方も必聴です。こちらもお楽しみに!  

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