第45回朔太郎忌へのご来場ありがとうございました。

2017年05月18日

 5月14日に第45回朔太郎忌「どこがヤバイの?朔太郎」が執り行われました。

 会場は満席となり、チケットは完売で改めて皆様の朔太郎への関心の高さを感じることができました。

 

 第一部のシンポジウムでは、「『月に吠える』とは何だったのか―日本の詩歌の百年」と題して、出演者に作家・評論家の高橋源一郎さん、歌人の穂村弘さん、詩人・作家で萩原朔太郎研究会会長でもある松浦寿輝さんに異なるジャンルから見た朔太郎の「ヤバさ」を論じて頂きました。

 「詩」とは何か。朔太郎が確立したと言われる「口語自由詩」の本当の意味とは。朔太郎の詩作は何が新しかったのか。独特の擬音として表出される朔太郎の聴覚の鋭さについて。小説と短歌も交えた同時代の文士たちの作風とも比較しながら、朔太郎が詩作にもたらした新しさや衝撃を多角的に紐解いてくださいました。

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 第二部では、長谷川初範さん(朔太郎役)、林健樹さん(犀星役)、柳沢三千代さん(少年役・ナレーション)と当館館長萩原朔美(白秋役)によるリーディングシアターが開催されました。

 現代を生きる高校生の思いと100年前の朔太郎の言葉とが交差する構成となっており、朔太郎が今なお愛され、読み継がれていく一例を垣間見たかのような、そんな気持ちになりました。多くの詩と書簡を下敷きにした脚本と演者の熱演によって立ち上がった『月に吠える』の世界を臨場感たっぷりにお楽しみいただけたことかと思います。

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 『月に吠える』刊行100周年にあたる本年にこのように多くのお客様にご来場いただき、同作品にクローズアップした催しを開くことができたことのありがたさを感じた一日でした。

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