『月に吠える』詩篇人気ランキングの中間発表です!
2017年05月15日
今年は『月に吠える』刊行より100周年の節目となっています。そこで当ホームページでは、朔太郎及び『月に吠える』のファンである皆様にお気に入りの詩をお聞かせ願いたく、詩篇の人気ランキングを実施中です。刊行日である2月15日より始まったこちらですが、早くも折り返し地点と言うことで、本日はランキング上位の中間発表をさせて頂きたいと思います。
第1位 猫
第2位 さびしい人格
第3位 恋を恋する人
第4位 殺人事件
第5位 竹(光る地面に竹が生え、)
第6位 内部に居る人が畸形な病人に見える理由
第7位 天上縊死
第8位 ばくてりやの世界
第9位 およぐひと
第10位 五月の貴公子
このような結果となっています!
現在ほかを突き放して第1位は「猫」。朔太郎独自のオノマトペで表現された「おぎやあ」「おわあ」猫の声や、「ここの家の主人は病気です」という、はっとする結びなど、短い詩ながら強い印象を残す作品です。ファンタジーのようなホラーのような、それでいてユーモラスなこの一篇は、多くの人に指示される要素を持っているようです。
第2位の「さびしい人格」は、『月に吠える』の中ではおそい時期に書かれました。短い言葉によって鮮烈なイメージが浮かぶ前半の詩と比べると長い作品です。柔らかな言葉で表現された「見知らぬ友」への憧憬が、読者の心に届くのでしょうか。
第3位は「恋を恋する人」。『月に吠える』はこの詩と「愛憐」により危うく発禁処分となるところでしたが、2篇を削除することで発禁をまぬがれました。女装、草木姦淫といったモチーフを描いてなおせつなく美しい作品です。
第4位以降は、「殺人事件」「竹(光る地面に…)」「内部に居る人が畸形な病人に見える理由」「天上縊死」と、これぞ『月に吠える』という作品が並んでいますが、第7位「ばくてりやの世界」は顕微鏡でのぞいたようなミクロの世界。この不思議な作品も、意外にファンが多いようです。
投票は7月31日まで受付中です!また、皆様からのコメントも随時募集中ですので、選んだ詩にこめられた思い出などもコメントフォームよりぜひお聞かせくださいませ。皆様のご参加をお待ちしております。