朔太郎とこどもの日

2017年05月05日

 今日は端午の節句ですね。どうやら文学館前の朔太郎さんも、兜をかぶって童心に帰っているようです。

 さて当館に収蔵されている朔太郎遺品のひとつに、端午の節句に飾られるのぼりがあります。その豪勢なこしらえからは、我が子の健やかな成長を願った両親の愛の深さがうかがえますね。

 また幼少期の朔太郎について、『萩原朔太郎全集』第15巻にはこういった姿が伝えられています。

 

“朔太郎三、四歳ころの話として、弟彌(や)六は、萩原家の前の家に久野おいとさんという人がおり、その家には美しいジュウタンが敷かれ、タンスのうえに美しい液体の入った珍しい型の瓶が並び、柱に鳩時計が鳴り、万華鏡のような空気ランプが灯されていた。その家である時オルゴールを聴いた朔太郎は、なんとしてもそれを手離さなかった。そのため横浜あたりまで探して、英国国歌(ゴッド・セーブ・ザ・キング)の鳴るオルゴールを買って与えた”

 

 幼少期に彼が見た夢のような光景が、宝物となってその後の作風にも深く影響しているのではと思わせるエピソードですね。

 

 文学館はゴールデンウィークも変わらず開館中です。いつもと違った様子の朔太郎さんと一緒に記念撮影してみてはいかがでしょうか。

 

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