文学館前は散策日和です。

2017年05月02日

 今年度が始まって、早いもので五月になりました。薫風の候、いかがお過ごしでしょうか。当館では現在、萩原朔美館長の就任1周年を記念した「萩原朔美の仕事展」を開催中です。当館の館長の愛すべき一面と、枠にはまらないユニークな仕事ぶりをぜひお楽しみください。

 さて五月といえば、朔太郎の詩にも「五月の貴公子」と言う作品がありますのでここにご紹介させていただきます。

 

若草の上をあるいてゐるとき、

わたしの靴は白い足あとをのこしてゆく、

ほそいすてつきの銀が草でみがかれ、

まるめてぬいだ手ぶくろが宙でをどって居る、

ああすつぱりといつさいの憂愁をなげだして、

わたしは柔和の羊になりたい、

しつとりとした貴女のくびに手をかけて、

あたらしいあやめおしろいのにほひをかいで居たい、

若くさの上をあるいてゐるとき、

わたしは五月の貴公子である。

 

 緑の芽吹く五月の風をかおりを一身に受けるような、さわやかな情景が浮かびますね。

 文学館前も今は柳の葉が新緑を青々となびかせて、先月8日に移築が完了した朔太郎生家が賑わいを見せています。皆さんもぜひそんな河畔を散策して、五月の貴公子の気分を味わってみてはいかがでしょうか。

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